海陽町など徳島県南部に降った豪雨は25日未明に峠を越し、阿南、海陽、牟岐など5市町に出されていた大雨や洪水警報、土砂災害警戒情報は午前3時半までに全て解除された。徳島地方気象台によると、海陽町ではレーダー解析で25日午前3時までの24時間に約700ミリの雨量を記録した。同町鞆浦地区の床上・床下浸水の被害は70戸余りに上るとみられ、町が調査を始めた。
海陽町に出されていた避難勧告と牟岐、美波町の避難準備情報も午前3時半までに解除。公民館などに避難していた海陽町の9世帯12人と美波町の2世帯2人は午前7時までに帰宅した。
海部消防組合によると、海陽町の浸水被害は鞆浦地区で床上18戸、床下57戸と推計されている。町は25日朝から職員を現地に派遣し、目視と聞き取りで調べている。地区では被災者が25日早朝から後片付けに追われた。
気象台のアメダスの観測では、23日午後11時の降り始めから25日午前3時までの海陽町の総雨量は396・0ミリ。美波町は223・0ミリ、上勝町福原旭は191・5ミリだった。
雨で通行止めとなっていた那賀町の国道195号など4路線9区間の規制は解除されたが、美波町田井の県道日和佐小野線が山腹崩壊のため25日午前8時半から全面通行止めとなった。
24日夕から桑野-牟岐間で運転を見合わせていたJR牟岐線は始発から運行を再開。阿佐海岸鉄道も平常通り運行している。
午後からは次第に天候が回復する見込みだが、南部ではこれまでの大雨で地盤が緩んでいる所があるとして、気象台は引き続き土砂災害などへの注意を呼び掛けている。