かつては女人禁制だった西日本第2の高峰・剣山(1955メートル)にある劔(つるぎ)神社(三好市東祖谷菅生)で、馬岡秀雄宮司(54)の長女美紀さん(30)が女性初の宮司を目指している。男社会のイメージが強い神道界にあって、神社を継ぐため4月に古里に戻った。美紀さんは「何か失敗すれば『女性だから』と思われるかもしれない気負いはある」と明かすが、地域の信仰を絶やさないために神社を守り続ける決意だ。
修験道の山として知られていた剣山は、明治維新以降に近代化が進むまで女人禁制だった。劔神社は標高1400メートル付近にあり、伝承によると仁和年間(885~889年)に創立。毎年4月に剣山の「山開き神事」が行われ、剣山を象徴する神社の一つだ。故宮尾登美子さんの小説「天涯の花」の舞台でもあり、境内にある記念碑には多くのファンが訪れる。
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