増水により崩壊した旧落合橋=美波町山河内

 西日本豪雨の影響で徳島県内は9日も交通機関のダイヤが乱れるなどした。
 JR四国は線路の復旧や点検作業のため、土讃線の阿波池田―土佐山田間で始発から終日、特急と普通の運転を見合わせた。10日も始発から運転を見合わせる。復旧は未定。

 高速バスは広島便が全て運休。高知自動車道に通行止め区間があったため高知便の一部で迂回(うかい)運行となった。

 JRの運休などの影響で、県西部を中心に9高校が臨時休校し、1校が授業の開始時間を遅らせた。

 美波町では同町山河内の山河内谷川に架かる旧落合橋(長さ約25メートル、幅約3メートル)が増水の影響で崩壊した。管理する県によると、鉄筋コンクリート造りで建設時期は不明。1972年に下流部分に新落合橋ができてから利用されていない。県は早期に撤去する方針。

 県の9日午後7時時点のまとめでは、三好市東祖谷の国道439号など県管理の7路線11カ所が山腹崩壊などで全面通行止めとなっている。同市山城町では66戸が断水している。

 阿南市福井町の中山猛さん(78)方では7日未明、裏山が5メートルほどの高さから崩れ、土砂が家屋に迫った。家屋に被害はなく、中山さんら家族も無事だった。当時、石ころが落ちるような音を聞いて裏山側の寝室から居間に移ったという中山さんは「無事でよかった。もっと大量の土砂が崩れれば被害を受けていたかもしれない」と話した。