賀川豊彦のベストセラー「死線を越えて」。続刊の復刻に向けて寄付を募っている=鳴門市大麻町の市賀川豊彦記念館

 徳島が生んだ社会運動家、賀川豊彦(1888~1960年)を顕彰する認定NPO法人賀川豊彦記念・鳴門友愛会が、大正期のベストセラーとなった賀川の自伝的小説「死線を越えて」の復刻出版に向け、クラウドファンディング(CF)に取り組んでいる。鳴門市賀川豊彦記念館(同市大麻町)の開館20周年記念事業の一環で、協力を呼び掛けている。

 「死線を越えて」は3部作の上巻。労働者階級を中心に支持を集め、ベストセラーとなった。中巻「太陽を射るもの」、下巻「壁の声きく時」と合わせて400万部が発行された。

 友愛会は2003年に上巻を復刻改訂して出版しており、今回は中下巻を復刻する。3部作として手近に読めるよう、上巻と同じB6判にする。

 各千部発行し、各1540円。賀川豊彦記念松沢資料館(東京)や賀川記念館(神戸市)などの関係機関に置くほか、鳴門市賀川豊彦記念館で販売する予定。

 寄付は一般社団法人大学支援機構(徳島市)のCFサイト「Otsucle(おつくる)」で今月末まで受け付ける。目標額は250万円。支援額に合わせた10コースがあり、「死線を越えて」3巻セットなどの返礼品を贈る。

 友愛会の藤田進副理事長は「賀川を理解する上で最も重要な作品。ノーベル平和賞や文学賞にノミネートされた賀川の精神を多くの人に知ってほしい」と話している。

 CFの問い合わせは大学支援機構、電話088(656)9854。