ドイツで独演会を開く桂七福さん=徳島市の徳島城博物館

 徳島市の落語家桂七福さん(50)が10月2日から、ドイツで独演会を開く。現地の日本人会から招かれた。2都市で計8回行い、子どもらに普段触れる機会のない日本の伝統芸能を楽しんでもらうとともに、第1次世界大戦中に鳴門市にあった板東俘虜収容所でのドイツ兵と住民との交流なども紹介する。
 
 13日まで滞在し、フランクフルトとハイデルベルクの日本語補習校で、日本人の小学生や中学生を対象に2回ずつ独演会を開く。このほか、フランクフルトで一般向けの独演会を4回、各定員50人で催す。ハイデルベルク大で日本人学科の講義に登壇し、落語の実演や解説も行う。

 交流サイト・フェイスブックを通じてドイツに暮らす落語好きの日本人と知り合ったのがきっかけで、訪独することになった。この人を介して現地の日本人会「陽だまり」から公演を依頼され、約半年前からメールなどで打ち合わせを重ねてきた。大学での講義や一般公演も陽だまりが仲介して実現した。

 陽だまりが七福さんを招いた背景には、板東俘虜収容所でのドイツ兵と地元住民との交流を通して、徳島とドイツが縁が深いことがある。陽だまりにも交流の歴史を知る人がおり、徳島で活動する七福さんに興味を持ったという。

 独演会では、落語の中に出てくる場所を徳島に置き換え、要所で阿波弁や阿波踊り、スダチ、ワカメなどを紹介する。落語の合間には、ベートーベンの第九交響曲がアジアで初めて演奏されたことなど、収容所についても話す考えだ。

 七福さんは「徳島に興味を示してくれている。落語とともに徳島のことも知ってもらえたらうれしい」と意気込んでいる。