災害時に活躍する救助用ロボットの開発技術や知識を競う第15回レスキューロボットコンテストで、徳島大工学部の学生チームが特別賞の日本消防検定協会理事長賞に輝いた。プロペラで飛行する小型ロボットにカメラを付け、空中から要救助者に見立てた人形をいち早く見つけた点が高評価を得た。
競技はがれきや障害物が多数置かれた9メートル四方のフィールドで行われ、がれきの中に埋もれた3体の人形をいかに早く、丁寧に運び出せるかを競った。救助用ロボットには無線カメラを搭載し、カメラからの映像だけを頼りに遠隔操作しなければならない。
1、2年生25人でつくる徳島大チームは、カメラを飛ばして人形を探す飛行ロボットのほか、アームを使って障害物を取り除くロボット1台、人形を運搬するロボット2台の計4台を製作。飛行ロボットは主に木材を使って重さを2キロ程度に抑え、四つのプロペラを付けて飛ばした。
大会では出場14チーム中、最速の10分で3体の人形の救出に成功。ロボットに関するプレゼンテーションの内容などを含む総合評価では第1席のレスキュー工学大賞には届かなかったものの、飛行ロボットは審査員から「独自の発想力があり、チャレンジ精神を感じる」と評価された。
中心メンバーで工学部2年の今垣諒彌さん(22)は「メンバーが持つ技術を出し切ったので、これだけのロボットができた。来年はさらに上位入賞を目指したい」と話した。
コンテストは8月8、9日に神戸市であり、書類審査と全国各地の予選を通過した14チームが出場した。