阿波しらさぎ文学賞の応募作品の集計作業に追われる徳島文学協会の会員。中央が佐々木義登会長=徳島市の四国大

阿波しらさぎ文学賞の応募作品の集計作業に追われる徳島文学協会の会員。中央が佐々木義登会長=徳島市の四国大

 徳島をテーマにした全国公募の掌編小説コンクール「第5回徳島新聞 阿波しらさぎ文学賞」(徳島文学協会、徳島新聞社主催)の募集が締め切られ、過去最多だった昨年の516点に次いで多い470点が寄せられた。県内からの応募は152点で昨年より4点減った。

 応募は北海道から沖縄まで全国44都道府県に及んだ。徳島を除くと、東京都の76点を最高に、神奈川県32点、大阪府27点と続いた。フランス、スペイン、アメリカからも4点の応募があった。

 最年少は13歳、最高齢は96歳、平均年齢は45・6歳だった。徳島文学協会賞の対象となる25歳以下の作品は82点だった。

 職業は、会社員や学生のほか、中高校生、公務員、古書店経営者、俳優、カフェオーナー、医師、システムエンジニア、大学教員、住職、映画監督など多彩だった。

 応募数が昨年より46点減った理由について、徳島文学協会の佐々木義登会長(四国大教授)は「大きく減少したとは思わない。ネタやテーマが尽きた人がいた可能性はある。県外の応募者の場合、コロナの影響で徳島に取材に来られなかったことも考えられる」と話した。

 応募作は1次選考を経て、芥川賞作家の吉村萬壱さんと小山田浩子さんらによる最終選考が行われる。受賞作は8月に発表される。

 賞金は大賞の阿波しらさぎ文学賞が30万円、徳島出身または在住者から選ばれる徳島新聞賞は10万円、徳島文学協会賞は3万円。受賞作は、徳島新聞紙上と電子版、徳島文学協会の文芸誌「徳島文學」、徳間書店の「読楽」に全文掲載される。