四国に生息する国の特別天然記念物・ニホンカモシカが、20年ほど前から減少している。増加するニホンジカに縄張りを奪われて生息環境が悪化した上、害獣用のわなに誤って捕獲されるなど人為的な死傷も一因となっている。専門家は「このまま減少傾向が続けば、四国のカモシカが絶滅しかねない」と懸念する。

 カモシカはウシ科。毛皮や肉を狙った乱獲で全国的に激減し、1955年に国の特別天然記念物に指定された。四国では主に徳島、高知両県の剣山系に生息している。木の皮や農作物を食べる食害をもたらすのはシカ科のニホンジカで、生態は大きく違う…