水揚げされる「すだちぶり」=鳴門市北灘町の粟田漁港

 スダチの果皮を混ぜた飼料で育てたブリ「すだちぶり」の今季の出荷が11日、鳴門市北灘町の粟田漁港沖で始まった。全国有数の水揚げがある高知県宿毛市が豪雨に見舞われ、養殖ブリの品薄を懸念した北灘漁協(鳴門市)が予定より約2週間早めた。

 漁港沖の養殖場で漁協の組合員ら約20人が網を引き上げると、体長60~70センチのすだちぶりが元気よく跳ねた。初日は約5・5トンが水揚げされ、県内外の市場に出荷された。作業は週1、2回行い、来年1月中旬まで続く。

 漁協に所属する山仁産業の松下周平専務(32)は「もう少し大きく育てたかったが、消費者の期待に応えなければと思った」と話した。

 すだちぶりは通常の養殖ブリよりビタミンEを多く含み、臭みがなくさっぱりした味が特長という。