環太平洋連携協定(TPP)が大筋合意した5日、徳島県内の消費者からは生活に直結する農産物の価格が下がることに期待する声が聞かれた一方、国産品が安定供給されるかどうかを懸念する声も上がった。小売店は価格の変動を注視し、販促に生かす方針だ。
5日、キョーエイ沖浜店(徳島市山城西4)に並んだ牛肉は全て国産。円安などで国産牛と輸入牛との価格差が小さいために輸入牛の取り扱いは今のところ少ないが、TPPが発効されると関税が引き下げられた安価な輸入牛の割合が増える可能性がある。
買い物をしていた同市山城町、徳島文理大1年仲宗根志野さん(18)は「学生なのでコメや牛肉が安くなって食費が節約できるのはうれしい」と歓迎する。消費税増税などで家計は圧迫されており、「できれば国産にしたいが、価格差が大きいと輸入品でもいいかなと思う」と話す。
「少々安くなるより国内の農家を守ることの方が日本の将来のためには必要。国内農業は大丈夫だろうか」と同市山城町、薬剤師宇田容世(やすよ)さん(46)は懸念する。「輸入品に押されて農家が続けられなくなれば国産の物が食べられなくなる。高くても国産品を選びたい」と話した。
キョーエイの瀬尾光常務は「すぐに価格に反映するとは考えにくいが、輸入品につられて国産品も徐々に下がってくるのでないか」とみる。味や安心感で人気の国産牛と低価格の輸入牛とで売り方に差をつけるなど、TPPの影響を見極めて販売戦略を検討する考えだ。
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