史上最短の梅雨明けで水不足が懸念される中、スプリンクラーで畑に水をまくサツマイモ農家=鳴門市里浦町

 1951年の統計開始以降、最も早く四国地方の梅雨が明けた28日、徳島県内の農家からは恵みの雨の乏しさに困惑の声が上がった。梅雨の期間は13日から15日間と観測史上最短だった上、平年より少ない降水量で早明浦ダム(高知県)の貯水率が低下している。気温も高い状況が続き、農作物への影響や水不足が懸念されている。

 JA全農とくしまなどによると、現時点では農作物に目立った影響は出ていないが、今後雨が降らない日が続けば、収穫量や品質に響く恐れがあるという。

 鳴門市里浦町のサツマイモ農家では、スプリンクラーを使って畑に水をまく人の姿が見られた。福井重光さん(71)は「日照りが続くと、形が悪くなったり生育が遅れたりする。スプリンクラーの範囲は限られているし、ダムの貯水量が少ないと給水制限がかかるかもしれない」と気をもむ。

 鳴門市の別の畑でサツマイモを育てる50代男性も「天気がいいと害虫が活発化するので、消毒で駆除する手間が増える。ゲリラ豪雨も心配だが、適度に降ってほしい」とこぼした。

 高松地方気象台によると、四国地方では5月上旬から雨の少ない状況が続き、梅雨期間の6月13~27日の降水量は平年の63%にとどまった。

 神山町でスダチを栽培する佐々木裕之さん(40)=徳島市北前川町=は「今は成長段階なので、雨不足が続くと品質が悪くなる」と困り顔だ。

 さらに今後1週間、徳島市では30度を超える「真夏日」が予想され、まとまった雨も期待できない。県内では5日、徳島用水の第2次取水制限が始まった。28日午後6時時点の早明浦ダムの貯水率は35・1%と、平年の86・5%を大きく下回る。貯水率が30%程度になれば、取水制限はさらに強化される予定だ。

 気温の上昇や水不足によって、米粒が白く濁るなどの高温障害が出る可能性もある。藍住町で米を作る60代男性は「水温が上がらないよう水の管理をするしかないが、これだけ気温が高ければどうしようもない。雨が降ってくれればいいのだが」と天を仰いだ。