県の市場調査事業で米国のスーパーに置かれたコシヒカリなどの県産食品=2月、ニューヨーク州(県提供)

 JA全農とくしまが県産のコメの米国輸出を計画している。1月に東海岸で試験販売したところ好評だったため、西海岸でも来年1月に感触を探る。環太平洋連携協定(TPP)交渉の大筋合意によって米国産、豪州産の安価なコメが多く流入する見通しとなったことに対抗。既に本格輸出している英国とともに、和食ブームで波及効果が大きい欧米での販路開拓に注力することで、県産のコメのブランド力強化や生産者の収入確保を目指す。
 
 全農とくしまは米東海岸のニューヨーク州にある日系スーパー2店舗で1月16日~2月28日、県が行った市場調査事業に参加。ユズみそやポン酢、イチゴなどの県産食品と一緒にコシヒカリ120キロを置いたところ、期間中に完売した。

 来年1月には西海岸ロサンゼルスの量販店で試験販売し、米国への本格的な輸出が可能か見極める。その上で具体的な計画を進めていく考えだ。

 米国は人口が多く、PR効果も高いことから格好の輸出先となるが、残留農薬などの検疫基準が厳しいのがネック。県特産のサツマイモやダイコン、スダチといった青果は、通常栽培のものなら輸出することができない。コメは基準をクリアする数少ない品目の一つで、県やJA徳島中央会でつくる「とくしま農林水産物等輸出促進ネットワーク」も重点的にコメの販路開拓を支援していく。

 英国には2013年に600キロ、14年に3トンを輸出した。現地の短粒種はイタリア産米が主流だが、味や香りの評判は上々で完売した。ただ、販売までの保存期間が長くなると品質が落ちるため、15年は14年よりやや少ない量を計画しており、11月から出荷する。

 ほかにも、シンガポールと台湾に輸出。シンガポール向けは15年産の出荷を8月末から始めており、今季は14年より6トン多い20トンになる見込み。台湾では10月中旬から1トン程度を販売する予定。

 全農とくしまは「米国東海岸の反応は良く西海岸でも期待したい。TPPによる外国のコメ流入により国内での供給過剰が強まることが予想される。海外で販路を拡大して県産のコメを守っていきたい」としている。

 農林水産省によると日本から米国へのコメ輸出は増加傾向にあり、10年には39トンだったが14年は81トンとなっている。