イニティウムが整備したミニトマトの栽培ハウス=阿波市土成町土成

 徳島県阿波市の農業法人・INITIUM(イニティウム)が同市土成町土成に整備していたミニトマトの高度環境制御栽培ハウスが完成した。生育環境を機械でコントロールして養液栽培するシステムで、年間を通じて約140トンの収穫を見込む。地元を中心に15人程度を雇用し、7月下旬から本格稼働する。

 1棟当たり間口8メートル、奥行き94メートルのハウスを11棟連結しており、面積は8272平方メートル。内部には長さ43メートルの栽培用の台が103列並ぶ。保水・排水性に優れたヤシガラの培地でミニトマトの苗を育てる。水や肥料はあらかじめ設定された量が管を通して自動的に供給される。ハウス外に気温や日照などを計測するセンサーがあり、得られたデータを基にハウス内の温度や湿度を機械で制御する。

 今年は7月25日に2品種の苗を計2万3千~4千本定植する予定で、順調に育てば9月下旬~10月上旬に収穫が始まる。来年7月中旬まで週3回のペースで実を取り続け、首都圏や関西、中国地方のスーパーなどに出荷する。

 苗は約1年ごとに植え替える。授粉のため人為的に飛ばすクロマルハナバチに害を与えないよう、農薬の使用はできるだけ抑える。より効率的に生産できるようノウハウを蓄積。数年後には収穫量を200トン程度に増やす目標だ。

 総事業費は約3億3千万円で、国や県の補助金約1億5千万円を活用した。今月21日に現地で開かれた見学会には県や市、地元の関係者ら約30人が出席。イニティウムの井口賀夫CEO(最高経営責任者)が施設の特徴などを説明した。

 将来は障害者や高齢者が農業に携わる「農福連携」も視野に、さまざまな人が集まる施設にする方針。井口CEOは「農業をする上でとても恵まれた場所にあり、生産をうまく軌道に乗せたい」と語った。(石津遼)