「昆虫食」が世界的に注目される中、食用コオロギの生産や商品開発を手掛ける徳島大発のスタートアップ・グリラス(本社・鳴門市)。社長の渡邉崇人さんはもともと徳島大でコオロギの基礎研究をしていました。ただ、社会に役立つ研究が求められる風潮の中、今後を模索していたと言います。インタビュー2回目は、ビジネスに舵を切ったきっかけ、そしてビジネスとして成長したきっかけを聞きます。

 ―基礎研究をしていた頃から、コオロギを社会に役立てる方法を考えていたんですね。

 コオロギを産業化しないといけないな、とずっと思っていました。産業化に動くきっかけになったことの一つが、徳島大学に「生物資源産業学部」が新設されたことです。
 この学部の新設に合わせ、(指導を受けていた)野地(澄晴)先生から大学としてクラウドファンディングをやりたいと持ち掛けられたんです。当時はまだクラウドファンディングは一般的ではなく、「いろんな人に声を掛けても断られるのでやってほしい」と。世話になってるし、断れないじゃないですか(笑)。「やります」と。そこで「コオロギの形がどうやってできるのかを研究する」と掲げても、また「何の役に立つの」と言われるだけなんですよね。いいきっかけだと思い、クラウドファンディングで「コオロギを人の食用にします」と言い切って研究費を募りました。
 2013年に昆虫を食糧にしていこうという国連の報告書が出ていました。食用のほかにも候補はあったんですが、採算が合わなさそうだったり、時間がかかりすぎそうだったりで、産業化が遠そうだった。諸々考えたところで、一番可能性があるのが食用にしていく、というところでした。

― 2020年、グリラスのコオロギパウダーを使ったコオロギせんべいが無印良品から発売されましたね。ここがビジネスとして成長したポイントでしょうか...

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