徳島新聞社会文化事業団が2023年3月に設立50周年を迎える。1973年の発足時から奨学金事業や歳末チャリティー展、助成金制度を活動の3本柱に、県内の社会福祉向上や文化振興に寄与してきた。節目となる本年度は、これらに加えて多彩な記念事業を計画している。
奨学金事業は経済的な理由から進学が困難な高校生を支援するため創設。学力試験や面接で選考し、22年度は県内の大学への進学者3人に月額3万円、県外の大学への進学者8人に5万5千円を支給した。23年度からは支給額を県内3万5千円、県外6万5千円に引き上げる。このほか19年度には母子家庭に入学支度金として50万円を贈るハート奨学金を新設した。
歳末チャリティー展は社会福祉への認識を高め、県内の恵まれない人に善意を贈る目的でスタート。毎年約200人の著名人からアート作品やサイン色紙が寄せられ、展示即売している。50回目を迎えた昨年は来場者が気に入った作品に値段を付けて落札する新方式も導入した。
助成金制度は、県内の障害者支援組織や文化振興団体などの活動を支援するため設けた。個人・団体の寄付や歳末チャリティー美術展の収益を原資に、21年度は43団体に402万円を贈った。
本年度は50周年記念事業として、ニュースポーツの祭典「徳島ニュースポフェス エイブル2022」を3日に開催。パラリンピック種目で、誰もが楽しめるボッチャやカローリングなど4種目を通じて幅広く交流してもらう。今回で28回目となる「徳島障がい者芸術祭」は、10月4~9日に県立近代美術館と21世紀館で開く。今回は規模を拡大し、神戸市の団体からも優れた作品を出品してもらう。
このほか▷鳴門市の大塚国際美術館を夜間貸し切って小中高生の親子100組を招待する「ワクワク夜の美術館~世界の名画めぐり」(8月6日)▷記念誌発行(23年1月)▷記念式典(同3月4日)―などを予定している。