10日に開かれる韓国最大級の伝統文化の祭典「第34回大韓民国国楽祭」に、日本人で初めて徳島新聞カルチャーセンターの「韓国伝統舞踊」受講生10人が出演する。講師の舞踊家、金昴先(キムミョウソン)さん(57)=四国霊場13番札所・大日寺住職=は「政治的な関係が難しい今だからこそ意味がある。日韓の懸け橋になってほしい」と期待を寄せている。
国楽祭はソウル市の清渓川広場で開かれ、受講生はオープニングの大役を任された。王妃が農民の生活の安定を祈る気持ちを優雅な動きで表現する伝統舞踊「祈願舞」を踊る。
出演のきっかけは、8月16日に徳島市のあわぎんホールで開かれた金さんの公演「歌舞楽 友」に受講生が客演したこと。招待されて公演を見た韓国国楽協会理事長らが高く評価し、国楽祭への出演を打診された。
受講生は本場での披露を前に、一層稽古に熱を入れている。同市川内町のカルチャーセンター徳島本校での講座に加え、同市入田町にある金さんの舞踊研究所で連日指導を受けながら踊りに磨きをかけている。
講座が始まった2002年からの受講者、斎藤あき代さん(65)=同市北田宮3、主婦=は「本場で踊るのが夢だった」と喜ぶ。受講歴6年の西條美恵さん(61)=同市丈六町栗田、主婦=は「練習の成果を出し尽くしたい」と気を引き締めている。