イグアノドン類のイメージ図(山本匠さん作画)=県立博物館提供

発見されたイグアノドン類の尾椎の化石=県立博物館提供

発見されたイグアノドン類の歯の化石=県立博物館提供

 徳島県立博物館(徳島市)は2日、白亜紀前期(約1億3千万年前)の恐竜化石を多く含む勝浦町の地層「ボーンベッド」から、国内で最古級となる草食恐竜イグアノドン類の尻尾の骨と歯の化石が見つかったと発表した。イグアノドン類の骨が発掘されたのは県内で初めてで、歯の発見は27年ぶり2例目。

 「尾椎(びつい)」と呼ばれる骨は縦7・8センチ、横8・3センチ、幅5・5センチ。尾椎同士をつなぐ連結部分の「椎体」が特徴的な六角形をしていることから、イグアノドン類と特定した。尻尾の中央から後方の部分で、この大きさから個体の全長は6~7メートルと推定されている。

 歯は長さ1センチ、幅0・6センチ、奥行き0・4センチで、上顎のものとみられる。唇側にイグアノドン類の特徴である筋が入り、食物をかみ砕くことですり減った跡もある。欠損部分がなく、自然に抜けるなどしたとみられる。ボーンベッドでは1994年にもイグアノドン類の歯が発見されている。

 福井県立大恐竜学研究所と共同で実施した昨年度の発掘調査で、尾椎は12月3日、歯は同14日に発見された。二つの化石が見つかった場所は約6メートル離れており、同じ個体かどうかは不明。イグアノドン類の骨の化石は福井県で見つかった白亜紀前期のフクイサウルスやコシサウルスが知られているが、今回のものが約1千万年古い。

 博物館によると、この時代のイグアノドン類の化石はアジア全体でもほとんど見つかっておらず、原産地とされるヨーロッパからどう移動してきたのかなど地理学的な考察をする上でも重要だという。

 博物館の辻野泰之専門学芸員は「骨の保存状態は良好で、水に流されてきたのではなく死後比較的近くで埋没したとみられる。近隣で他の部位の発見が期待される」と話している。

 ボーンベッドではこれまで、今回発見分を含め恐竜の骨の化石3点、歯の化石16点が発掘された。20年には獣脚類の四肢骨2点が見つかっている。

 今回発見された化石2点は博物館の常設展「徳島恐竜コレクション」で今月12日から12月28日まで一般公開される。