西日本を中心とした豪雨の影響が、徳島県内の企業や家計に影を落としている。小売店では依然として一部商品が供給できない店があるほか、夏野菜の入荷量が減り、価格上昇が懸念される。生産を停止していたマツダの関係企業は、今後の動向に気をもんでいる。
スーパーのがんばりや本店(徳島市)では豆腐や納豆、ヨーグルトなど、中国地方の被災地の工場で作られる商品の供給がストップしている。ゆめタウン徳島(藍住町)も仕入れ先が被災した加工食品や広島県産米など一部商品がまだ入荷されていない。
県内の農産物にも影響が現れている。JA全農とくしまによると、西日本豪雨を含めた長雨の影響で、キュウリの収量が前年と比べて8割程度に落ち込んでいるという。
県内大手スーパーのキョーエイ(徳島市)では12日、県産キュウリの仕入れができず、急きょ他県産を調達した。同市の福島店は来週まで入荷がなく、売り場に「大雨の影響で入荷量が激減しています」「キュウリは一人1本まで」とのメッセージを掲示した。同社は「野菜の入荷はしばらく不安定な状況が続く可能性がある。いろんな市場から情報を仕入れ、あるものを調達するほかない」としている。
他のスーパーでも「キュウリの仕入価格がほぼ倍増した。徳島産のミズナ、コマツナなど葉物野菜も高騰している。安くしなければ買ってもらえないので大変だ」(がんばりや)、「ナスの入荷にも影響が出るかも」(マルナカ)といった声が聞かれる。
一方、広島県の本社工場と山口県の防府工場で12日から操業を6日ぶりに再開したマツダの関係企業も余波を受けている。
マツダの関連工場などに自動車の内装部品の金型を供給している昭和精機工業(吉野川市)の担当者は「現時点で大きな影響はないが、現地の交通状況が悪いことから納入に遅れが出た」と言う。販売会社の徳島マツダ(徳島市)の担当者は「納車に若干の遅れが出る可能性はある。きめ細かに情報収集をして顧客に伝えたい」と話した。