マイクロチップの装着について説明する三谷院長(左)=徳島市のあけぼの動物病院

 改正動物愛護管理法が6月に施行され、所有者情報を登録したマイクロチップの犬猫への装着が繁殖・販売業者に義務付けられた。既に飼っている人にも努力義務が生じ、ペットが行方不明になった場合や安易な遺棄の防止といった面で効果が期待される。ただ、県内の飼い主からはマイクロチップ装着後のペットの健康を不安視する声も聞かれ、制度の周知だけでなく理解促進も課題となりそうだ。

 マイクロチップは直径約2ミリ、長さ約1センチの円筒形の電子器具。15桁の識別番号が割り当てられ、専用の読み取り機をかざすと、環境省のデータベースから飼い主の連絡先などを照合できる。動物の首の後ろに獣医師が専用の注射器で埋め込む。費用は1匹につき数千~1万円程度。

 ペットの繁殖・販売業者にはチップの装着と所有者情報の登録が義務付けられ、守らない場合は都道府県知事が勧告や命令を行う。飼い主側は新たに購入したり、チップを装着済みの犬猫を譲り受けたりすると、30日以内に所有者情報を変更する届け出が必要となる。

 徳島市山城西2のあけぼの動物病院では、院内にポスターを貼って制度を周知した。三谷聡院長(46)は「チップは2秒ほどで埋め込むことができる。動物の体への負担はほとんどない」と理解を求める。

 飼い主の間ではさまざまな意見が聞かれる。「災害が起きてペットが行方不明になっても、チップの情報があれば戻ってくるので安心できる」と期待感を示すのは、松茂町住吉の女子高校生(15)。同町中喜来の女性会社員(53)は「犬の体に負担がないのなら検討したい」と話す。

 一方、藍住町奥野の男性会社員(62)は「飼っている犬も猫もそう若くはないので、健康被害が心配。装着させたくない」と首を横に振った。

 県動物愛護管理センター(神山町)によると、県内の装着率は3月末時点で犬が約25%(2018年は11・3%)、猫が約10%(1・1%)。担当者は「首輪のように外れる心配がなく、離れ離れになっても再会できる可能性は高い」と理解を求め、装着を呼び掛けている。