和紙を用いた版画展「アワガミ国際ミニプリント展2015」(阿波和紙伝統産業会館主催)が10日、吉野川市山川町建石の「いんべアートスペース」で始まった。国内外の版画家や美術学生らの作品1105点を展示している。11月8日まで。
13年に続き2回目の開催。今回は日本をはじめ米国、イギリスなど51カ国の756人が応募し、前回を12カ国135人上回った。
黒いコップを独特な線で描いた銅版画や、緑のワンピースを着た女性を柔らかなタッチで表現した木版画などが風合いのある和紙にプリントされ、訪れた人の目を引いていた。
同市山川町の市山川地域総合センターでは「出品作品から見る現代版画」と題したシンポジウムが開かれた。同展で審査員を務めた徳島大の平木美鶴教授や多摩美術大の小林敬生名誉教授ら5人が登壇。大賞や準大賞などを受賞した5人に、作品に用いた技法や和紙を使った感想を聞きながら、現代版画の表現の多様性を語った。
平木教授は、前回と比較し「和紙の特性を生かした作品が少なかった。あまり使ったことがない和紙に、普段の技法で挑戦している印象だった」と評した。