アニメキャラクターをかたどった和菓子「キャラ菓子」を作り続けている徳島市蔵本元町の「日の出製菓」4代目多田真一郎さん(37)が、人気アニメ「銀魂」の公式和菓子製造に取り組んでいる。これまで主に趣味で製作してきたが、多田さんの高い技術とアニメ愛に目を付けた企業から依頼を受け、初めて全国販売用の商品を手掛けることになった。5月末に予約受付を始めると全国から注文が相次ぎ、既に発送まで半年待ちという人気になっている。

 

銀魂のキャラ菓子を作る多田さん=徳島市蔵本元町の日の出製菓

 

 職人歴15年で1級菓子製造技能士の多田さんは、子どもの頃から大のアニメ好き。2009年、「和菓子作りの技術を生かしてアニメ関連の創作ができないか」と考え、あんと羽二重餅を混ぜた原料で花などをかたどって作る約5センチ四方の和菓子「練り切り」を応用したキャラ菓子を作り始めた。

 

多田さんが製造している銀魂のキャラ菓子全5種類

 

 これまでに、さまざまなアニメやゲームに登場するキャラクター700種類以上を製作。14年4月からは、多くの人に作品を見てもらおうと、ツイッターに「オ匠(たくみ)@キャラ菓子」の名前で毎週のように作品画像を投稿している。

 

坂田銀時

 

 アニメ愛好家を中心にフォロワーは1万2000人を超えており、「素晴らしい再現力」「カワイイ」「おいしそう」などと多くのコメントが寄せられている。アニメやゲーム関連会社から依頼を受け、販売促進用などに製作することも年に数回ある。

 

土方十四郎

 

 全国でも注目を集める多田さんの作品の高い完成度に目を付けた、アニメグッズなどの企画・販売を手掛ける「稲ノ部」(東京)が、4月に一般販売用の商品製造を依頼。複数の候補作品の中から多田さんの関心が特に高かった「銀魂」が選ばれた。

 

沖田総悟

 

 デザインを決めて5月30日に予約受付を始めたところ、250セット、1250個以上の注文が殺到。熟練の多田さんでも1個作るのに5~10分程度かかり、通常の業務の合間での製作となることから、現在の注文をこなすだけで半年以上かかるという。

 

 

 多田さんは「ゲリラ的に作品を発表してきた自分に公式商品の声がかかるのはうれしいし、とてもやりがいを感じる。アニメファン以外も含め、全国の人に食べてもらえる絶好の機会なので、楽しみながら作りたい」と意気込んでいる。

 

エリザベス

 

 「銀魂」のキャラ菓子は、坂田銀時、土方十四郎、沖田総悟、神楽、エリザベスの5種類がある。同じキャラクターが5個入っているセットと、5種類が1個ずつ入っているセットがあり、価格はそれぞれ税込み2980円となっている。

 注文は稲ノ部の通信販売サイト「銘品零号」〈https://zerogo.net/〉のみで受け付けている。徳島市の「くらもと日の出本店」で受け取れる場合は送料が無料となる。