毎日暑いですね。太陽がギラギラ照りつける日なんて外に出ただけでダウンしそうです。走れば汗が滝のように流れるし、疲労感も半端ない。夏場の練習は本当にしんどいです。でも走らずにいられないのがランナーのさが。皆さんは夏場の練習をどのようにしていますか。私のお勧めは、涼しい早朝に走ること。走り終わった後、温泉に入れば疲れが取れて気分は爽快です。そんな場所があるのかって? あるんです。

 今回紹介するのは、100人以上のランナーが登録している「徳島かめさんランナーズ」が主催する、徳島市八万町―佐那河内村を走る練習会。毎週日曜日の午前6時半(今年は酷暑なので、7月10日から午前6時。ちなみに冬場は午前7時)に八万町下長谷の八万温泉に集合します。

午前6時半前、次々とランナーが集まってきます

 温泉の西端の駐車場に車を止め、園瀬川北岸の堤防から国道438号に入り、上八万方面へ進みます。しらさぎ台の入り口を通過。上八万中学校手前の細い道を南へ曲がり、ため池を通り過ぎてしらさぎ台の南側に出ます。再び国道438号に合流。あとは佐那河内村までひたすら走ります。JA徳島市佐那河内選果場で折り返して約25キロ、神山町境になる新府能トンネル手前で往復すれば約32キロ。10キロや20キロで戻るランナーも多く、思い思いのペースで走ります。

 6月のある日曜日、いつものように続々とランナーが集まってきました。この日は少なめで10人余りです。「ほないこか」。代表の山蔭泉さんの掛け声を合図に走りだします。早朝なので行き交う車も少なく、出足は快調。まあ、いつも「行きはよいよい」なんですが...。

かめさんランナーズの青いシャツを着た山蔭さん(右)の合図で出発。それぞれのペースで走ります

 コースを聞いて気付いた人がいると思いますが、途中にアップダウンが何カ所もあります。昨年秋に初めて練習会に参加し、新府能トンネル手前まで走りましたが、行きは緩やかに登り基調だったので帰りは楽だろうと思っていたら、下りつつも起伏が多くてへとへとになりました。その分鍛えられるのは間違いないですが。一気に山を登ってひたすら下る大坂峠ランとは異なるハードさがあります。

国道438号から佐那河内村に入ります。太陽が昇ってきました

 早朝とはいえ、さすがにこの日は気温が高く、10キロも走ると汗びっしょり。しばらく進むとJAが見えたので、屋外のトイレに駆け込んでUターンしました。徳島市に入ったころには日差しが強くなってきました。なんとかペースを保ちながら駐車場に到着。先に戻っていた山蔭さんがにこやかに出迎えてくれました。「お疲れさん。はい、どうぞ」。スポーツドリンクが入った紙コップを差し出してくれました。一気に飲み干します。うますぎて3杯もいただきました。

 一息ついたところで、着替えを持って八万温泉に向かいます。大浴場だけでなくジェットバス、水風呂、露天風呂もあります。まだ午前9時前ですが、朝風呂のお客さんもちらほらいます。

 大浴場に漬かって足をストレッチした後、水風呂に直行。脳天まで冷たさが伝わります。かき氷を食べて頭が「キーン」となるのと似た感覚と言いましょうか。「この瞬間のために走っている」と思えるほど。もはや練習に来ているのか、朝風呂が目的なのか分かりません。

風呂上がりに飲んだコーヒー牛乳。温泉の定番です

 体も心もリフレッシュした後はお楽しみタイムです。何かって? 風呂上がりといえばあれですよ、あれ。牛乳です。フルーツ牛乳の気分だったのですが、売っていたのが紙パックだったので瓶入りのコーヒー牛乳をチョイス。ふたを開け、腰に手をあてて一気飲みします。やっぱり牛乳は瓶がいいですね。紙パックにストローを刺して飲むのはもう一つ感じがでません(何の感じなのか意味不明ですが)。八万温泉さん、ご再考を。

 まだまだ暑い日が続きますが、夏場にどれだけ走り込んだかが記録向上の鍵と言っても過言でありません。このコース、走力がかなり鍛えられるので、興味のある人は参加してはいかがでしょうか。(新居和人)

 矢田諭史(やた・さとし)
 12年のとくしまマラソンに初出場。自己ベストは3時間44分(19年のとくしまマラソン)。47都道府県の大会で完走するのが目標。

 新居和人(にい・かずと)
 17年のとくしまマラソンに初出場。自己ベストは3時間7分(19年加古川マラソン)。今季の目標はサブ3。走り始めてから26キロの減量に成功した。

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