徳島県は、24市町村の地方創生の取り組みを支援する「徳島版地方創生特区」の第1号に板野町と那賀町の2事業を選定することを決めた。板野は「道の駅」の整備が柱で、那賀は小型無人機「ドローン」を活用した地域活性化に取り組む。両町に対し、県は財政支援のほか規制緩和・制度改革に向けた国、関係機関との調整役を果たす。飯泉嘉門知事が13日の県議会9月定例会本会議で表明する。
 
 板野町は「南海道再興戦略特区」と銘打ち、道の駅整備と町彩りの舘(やかた)へのサテライトオフィス(SO)誘致に乗り出す。

 道の駅には水素ステーションや急速充電器を設置する予定。県は燃料電池車や電気自動車の普及に向け、自動車関係税の減税措置などを国に求める政策提言の実施を検討していく。また国の補助金で整備された彩りの舘について、SO誘致に向けた目的外使用の承認を国から得るため県が助言・協力する。

 那賀町は「徳島ドローン特区」の名称で、ドローンによる町おこしを目指す。鳥獣害対策への活用法を探るワークショップの開催や空撮動画作品のコンテストを計画。操縦者を養成する講習会も開き、町の魅力発信と集客を図る。

 県は両町に対し、事業費の3分の2を助成する。

 このほか、特区に選定しなかったものの、石井町と三好市が提案した6次産業化と地域ブランド開発に関する事業に関し、早期の指定を目指して検証や助言を継続する「支援枠」に位置付ける。

 県は8月7日から約1カ月間、提案を募集。5市町から計7事業の応募があり、外部有識者による意見を踏まえて選定を進めていた。

 特区は、県版の地方創生総合戦略に掲げた目玉施策の一つで、2019年度末までに計10事業を選定する。市町村が検討した事業に財政支援するだけの従来の補助事業と違い、選定後、民間有識者らを交えて事業内容に検討を加えながら先進モデルに成長させ、国家戦略特区への「格上げ」を目指す。