西日本豪雨によって孤立状態となった三好市山城町の粟山集落と集落外をつなぐ県道が崩落し、復旧に数年を要する恐れのあることが13日、分かった。地滑りが原因とみられ、孤立が相当の長期にわたる可能性が高い。市は全18世帯34人を集落外に移転させることを検討する。
地滑りは白川谷川沿いにある県道粟山殿野線の北側斜面で発生した。道の約150メートル上から崩れ、斜面の土石が約100メートルの県道ごと落ちたとみられる。路面が激しく傷みながらも残っている区間
もあるが、約10メートルにわたって通れなくなっている。
地滑りのあった斜面より上に住む住民によると、地滑りは、同市山城町で降り始めからの降水量が1200ミリを超えた6日深夜から7日早朝の間に始まり、徐々に進行した。周辺の道路にも大きな亀裂が目立っており、新たな崩落が懸念されている。
住民の大半が高齢者で、車は通行できず、歩いて集落外と行き来できる道は険しいため、高齢者が移動するのは難しい。
県は今後、復旧作業を進めるが、元通りになるめどは立っていない。集落には今のところ避難勧告や指示は出ていない。市は住民に避難する意思があるかどうかの聞き取りを始めた。
三好 30世帯孤立続く
13日午後4時時点の県内の避難者は、三好市の4世帯6人。市は同日、山城町中野の避難指示を解除した。池田町高友の避難指示は、21世帯35人から1世帯3人に減った。市内の30世帯57人が孤立状態、7世帯で断水が続いている。
同日、被災建築物応急危険度判定士の資格を持つ県と徳島市の職員が三好市職員とともに山城町の145戸を調査した。2戸を「危険」と判定し、住民に注意を促した。14日も山城町の43戸を回る。