三好市西祖谷山村後山の後山農村舞台で、襖(ふすま)からくり公演があった。地元住民や観光客ら約80人が、変幻自在に絵柄を転換させる伝統の妙技を堪能した。
後山からくり襖絵保存会の会員7人が、虎や宝船、桜などが描かれた10枚1組の襖を、三味線の音色に合わせて操作。斜めに傾けた襖を横回転させる「スマレンガク」や、縦回転と横回転を織り交ぜた「ヨドレンガク」などの技法を披露した。次々に絵柄が入れ替わって場面が変わるたび、詰め掛けた観客からは拍手と歓声が沸き起こった。
襖からくりの合間には、祖谷の粉ひき節踊りや、同村吾橋地区に伝わる「加羅宇多(からうた)姫伝説」を題材にした創作劇も披露された。
同市出身の人形遣い勘緑さんも登場し、夜の闇に包まれた山あいの農村舞台で「三番叟(さんばそう)」「伊達娘恋緋鹿子(だてむすめこいのひがのこ)」を熱演した。
襖からくり公演は西祖谷山村徳善の徳善阿弥陀堂でも、18日正午からと24日午後8時から披露される。