大型商業施設「ゆめタウン徳島」(藍住町)などを運営するイズミ(広島市)は15日、徳島県内で食品スーパーを展開するデイリーマート(美馬市)の全株式を取得し、完全子会社化すると発表した。株式譲渡は11月17日の予定で、買収額は非公表。デイリーマートは店名を変更せず、県内7店舗は存続する。
デイリーマートは、藤原武志社長が今後もトップとして経営に当たる。正社員131人、パートアルバイト277人は継続雇用する方針。
県外の小売りグループ入りを模索していたデイリーマートが今春、取引先のメガバンクを通じてイズミに打診した。イズミは、ゆめタウン徳島とデイリーマートは店舗形態が違うため、出店戦略でプラスと判断。デイリーマートは、ゆめタウン独自の電子マネー「ゆめか」の導入によって他店舗との差別化も図れるとしている。
徳島市内で記者会見したデイリーマートの藤原社長は「県内の人口減少や高齢化などから単独で生き残るのは難しいという危機感があった。イズミの豊富な経営資源を活用し、既存店の競争力を付け、出店を加速したい」と話した。
イズミの山西泰明社長は「四国戦略強化のため、食品スーパーの積極的な新規出店を支援したい」と話した。
イズミは1961年設立で87年に東証1部に上場。イズミ単体の2015年2月期の売上高は約5305億円。デイリーマートは1970年設立。2015年6月期の売上高は約71億4千万円。
市場調査会社の流通企画(名古屋市)がまとめた県内スーパーの食品売上高では、デイリーマートが71億4千万円で6位、イズミが34億9400万円で10位。2社合計では、イオングループ(マックスバリュ西日本とマルナカ)、キョーエイ、セブンに次いで4位になる。