ロングセラー「100万回生きたねこ」で知られる絵本作家・佐野洋子(1938~2010年)の世界を紹介する特別展(同実行委、徳島新聞社、県教委主催)が14日、徳島市の県立近代美術館で始まった。代表作の原画や銅版画など約130点が展示され、ユニークで豊かな「佐野ワールド」が広がっている。9月2日まで。
「『100万回生きたねこ』の世界」のコーナーには、大胆な筆遣いで描かれた原画9点(8月7日から別の9点)と原作の草稿を展示。ミュージカル化された舞台で使われた衣装や小道具なども並んでいる。
素朴なタッチが印象的な「すーちゃんとねこ」の原画が初公開されたほか、「さかな1ぴき なまのまま」の油彩原画も展示。来場者は、「100万回生きたねこ」との作風の違いを楽しんでいた。
家族3人で訪れたパート従業員高木愛実さん(28)=同市八万町内浜=は「原画は絵本よりも細かい部分が鮮明に分かっていいですね」と話した。
期間中、猫の絵本を作るワークショップ(7月29日)、学芸員による展示解説(8月11、26日)などの催しがある。