資料を掲げながら日本の美術界について語る吹田さん=あわぎんホール

資料を掲げながら日本の美術界について語る吹田さん=あわぎんホール

 阿南市出身の版画家吹田文明さん(88)=東京都=の講演会が17日、徳島市のあわぎんホールであった。同ホールで開催中の第70回記念徳島県美術展(県民文化祭開催委員会、県美術家協会、徳島新聞社主催)の関連事業。

 50年の美術教師の経験を紹介した上で、自身の制作へのこだわり、日本の美術界や美術教育など幅広いテーマについてトークを展開。ユーモアを交えた語り口に、約250人が聞き入った。

 美術は年齢を重ねても始められると指摘し、「作風は時代性と年齢によって変化していく。流行はあっても、その人の経験や考え方が作品として表れる」と語った。来年の卒寿記念個展に向け、制作に取り組んでいることも明かした。

 県展に出品している大貝寿子さん(58)=徳島市津田本町3、自営業=は「日本を代表する芸術家の意欲を聞き、励みになった」と話した。