徳島市出身の作家で僧侶の瀬戸内寂聴さん(93)が18日、京都市の寂庵で定例の法話を開いた。名誉住職を務める岩手県二戸市の天台寺で11日に開いた特別法話の模様を交え「なぜそんなに働くのかと言われるが、生きている以上は何かを生み出したい。死ぬまで一生懸命に生きるしかない」とさらなる活躍を誓った。
寂聴さんは、圧迫骨折やがん治療で1年5カ月ぶりとなった天台寺での法話の様子を紹介。「最後の務めと思って臨んだが、皆さんがあんまり喜んでくれたので『また来ます』と言っちゃった。一度結んだ縁は簡単に切れないものね」とユーモアたっぷりに話し、詰め掛けた約160人の笑いを誘った。
この日は1時間余りの法話をほぼ立ち通しで行い、執筆活動の再開にも言及するなど順調な回復を印象づけた。その上で「長生きはつまらないと思うかもしれない。でも、生きている限り自分の才能を育て、世のために使う楽しみがある。死ぬまで花開くのよ」と来場者に語り掛けた。