徳島県が27日に発表した新型コロナウイルスの新規感染者数は931人で、1日当たり過去最多となった。約2割に当たる196人が10歳未満で、子どもの感染が目立つ。小児科の診療状況はどうなっているのか。求められる感染対策は何か。小児科医で県医師会感染症対策委員長の田山正伸氏(田山チャイルドクリニック院長)が徳島新聞の電話取材に応じた。

 ―田山チャイルドクリニック(徳島市)での診察で感染者の増加を感じますか。

 7月16~18日の3連休明け以降、抗原検査を受ける人の数が増え、陽性率も上がっている。概算だが、連休前は検査を受ける人が1日10人以下だったのが倍以上になった。陽性になる人は、連休前は受検者が10人いたら1、2人だったのが、今は20人が受けたら10人が陽性になるような状況だ。

 検査キットも注文してもなかなか届かない、あるいは注文した数が届かないという状況が先週から続いている。「ない」わけではないが、不足している。

 ―オミクロン株が主流になって以降、症状は軽症になっていると言われます。オミクロン株の中でも、今はBA・2などからBA・5へ移行しつつありますが、小児患者にはどのような症状が見られますか。

 発熱、咽頭痛、頭痛の症状を訴えるケースは多い。咳や鼻水もある。中には激しい嘔吐症状や腹痛を訴える子どももいる。

 子どもの場合、コロナ以外にもRSウイルスや手足口病、アデノウイルスによる体調不良も見られるが、人数としてはコロナの方がずっと多い。

 ―政府は行動制限はしない方針です。夏休みに入った中、家庭で求められる対策は。

 家庭内感染を除くと、どこでかかったか分からない例が多い。学校がある時期だと行動が決まってくるが、夏休みだと自由に行動できる。今のウイルスの感染力だと誰がかかってもおかしくない。軽症が多いものの、それでも高熱が出て、身体はきつい。後遺症が続くケースもある。

 政府は緊急事態宣言などは出さないかもしれない。しかし、例えば、普段接していない人と接することは避ける、換気が不十分な空間で大人数で過ごすことを避けるなど、自分の身を守るために自分で行動を抑制してほしい。

 感染者や濃厚接触者が増えるとエッセンシャルワーカーらも働けなくなり、社会が機能しなくなってしまう。

 ―医療機関の状況は。

 自宅療養する患者の健康相談や電話診療などをする「サポートドクター制度」(登録者350人)に登録し、患者を受け持っている。これまで私が担当する患者は10人以下だったが、今は20人近い。

 以前は県の入院調整本部が患者と担当医師をマッチングしていたが、これだけ患者が増えてくるとその作業や連絡に時間もかかる。県と医師会が話し合い、かかりつけ医が患者の検査をして陽性となれば、そのまま療養中のオンライン診療をするなど、サポートに入れるように仕組みを変え、対応できるよう努めている。

 猛暑で熱中症対策も必要になる。大規模なイベントがある夏休み中でもある。悪い条件が重なっている。患者数が増えると、重症患者や死者も増え、医療機関の負担も増えてくる。1日の新規感染者数が千人を超えるとどうなるのか、懸念している。