国道55号に記された、かちどき橋からの距離を示す対空標示=牟岐町辺川

国道55号に記された、かちどき橋からの距離を示す対空標示=牟岐町辺川

 徳島県南部の国道55号を車で走っていると、路上に記された90度傾いた白い数字が目に入ってくる。オレンジ色の制限速度表示とも異なり、「何を示しているのか」との問い合わせが徳島新聞「あなたとともに~こちら特報班」に寄せられた。道路を管理する国土交通省四国地方整備局に聞くと、「対空標示」だという。南海トラフ巨大地震など大規模災害時の被災場所を上空から確認する際、目印になるそうだ。

 整備局によると、国道55号の路面に記された数字の大きさは縦2メートル、横1・5メートル。55号の起点となる、かちどき橋(徳島市)からの距離を1キロごとに南に向けて記している。

 数字は、上空のヘリコプターなどからの目標物が少なく、大規模災害時に位置が特定しづらい海岸部や山間部の道路に記している。このため徳島市内にはない。小松島市大林町の「13」から刻み始め、県内区間は海陽町宍喰(89キロ地点)までの73カ所に記されている。

 上空から確認できないトンネル内に表示はなく、「43」「58」「74」「76」「90」は存在しない。

 対空標示は2010年8月、高知県東洋町―芸西村間で試験的に整備した。翌月の防災訓練で、約600メートル上空からでも肉眼で数字を確認できたため、四国の他の国道でも表示すると決めた。11年3月の東日本大震災を受け、予定を前倒しして7~8月に整備した。平時には交通事故発生地点の把握などにも活用されている。

 整備局日和佐国道出張所の定金孝典所長は「南海トラフ巨大地震などが発生した場合、被災箇所を発見、報告するのは早期復旧のために重要となる。迅速な把握に役立てたい」と言う。

 徳島県内では三好市内の国道32号にも表示があり、起点(高松市中新町交差点)からの距離を記している。59キロ地点の池田町白地から83キロ地点となる同市山城町下名まで1キロごと、計25カ所に数字を刻んでいる。

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