梅の産地・徳島県吉野川市美郷で、梅干し用の実を乾燥させて保存性を高める「土用干し」が始まった。作業場のビニールハウス内には甘酸っぱい香りが漂っている。
田平地区の加工施設では、栽培農家でつくる「美郷梅工房」の会員が約1カ月間塩漬けにした黄色の小梅をパレットに並べ、干しむらができないようにひっくり返している。
5日間ほど干した後、梅酢やシソと一緒に漬け込むと、約3カ月で赤い梅干しができる。梅工房の今季の取扱量は例年より多い6トン。土用干しは8月中旬まで続ける。梅干しは地元物産館や県内外の取引先に出荷する。
藤村和行会長(64)は「梅干しにはさまざまな効能がある。子どもたちも美郷の梅を食べてほしい」と話した。