自宅のアトリエで藍染のテディベアを手にする藤田さん=小松島市坂野町

自宅のアトリエで藍染のテディベアを手にする藤田さん=小松島市坂野町

 世界中で愛されるクマのぬいぐるみ「テディベア」が誕生して今年で120周年を迎える。徳島県小松島市坂野町の藤田理恵さんは、20年以上前からぬいぐるみを作り続けているテディベア作家の一人だ。「ベアを見た人が笑顔になる瞬間がうれしい」と語る藤田さん。作品を通じて、その奥深い魅力を広く知ってほしいと話す。

 テディベアは1902年秋、クマ狩りをしていたセオドア・ルーズベルト米大統領が瀕死のクマを撃たなかったという逸話を基に、菓子屋が作ったクマのぬいぐるみが始まりとされる。通常のぬいぐるみとの大きな違いは、首や手足の部分が金属製のピンとワッシャー(座金)で360度回せるようになっていること。アンゴラヤギの純毛が使われ、世代を超えて受け継がれるほど丈夫で長持ちするのも特徴だ。

 藤田さんが作り始めたのは2001年、長崎県のリゾート施設ハウステンボスを訪れたのがきっかけ。テディベアの博物館を見学し、愛らしい表情や雰囲気に魅了されて「自分で作ってみたい」と思うようになった。

 専門書を入手したり、東京や大阪での全国展に出向いたりして技術を学んだ。自宅の一室を専用のアトリエにして制作に没頭し、「気付いたら朝という日も何度もありました」

 やがて各地の展示会や徳島クリエーターズマーケットなどに作品を出展するようになった。現在では15~30センチのサイズを1カ月に10体ほど手作りする。インターネット通販や店頭販売のほか、個別の注文制作も手掛けている。

 生まれ育った地元徳島を感じさせるベアを作りたいと、7年ほど前からは藍染の青いベア作りにも挑戦した。染めた毛の色合いによってベアの表情の幅が広がったという。

 日本では一般的なプレゼントのほか、ブライダル用のアイテムなどで人気のベア。一方、海外では、犯罪被害者や難病の子どもたちの癒やしとして用いられることも多い。「米国のパトカーには、事件や事故のショックで言葉を話せなくなった被害者のためにベアを載せていると聞きました」

 さまざまな場面で用いられ、愛され続けているベアの魅力をもっと知って欲しいと願う藤田さん。木工やアクセサリー、似顔絵など他ジャンルの作家仲間と11月に徳島市の万代中央埠頭(ふとう)のベーカリーカフェ・ペンフォークで計画している展示会では、新作を含めて10体のベアを並べる。

 藤田さんのホームページはhttps://mugyubear-rie.shopinfo.jp/

 作品に関する問い合わせなどはメールアドレスmugyu-bear-rie@yahoo.ne.jpまで。