県西部4市町と県などでつくる「にし阿波観光圏協議会」は29日から、昔ながらの山村風景が残る集落をタクシーで訪ねるツアーを社会実験で始める。地域資源を生かした旅行商品づくりの参考にするのが狙いで、料金を通常の半額程度に設定した。12月末まで実施する予定。
対象は、渕名、美村、貢、野田ノ井(以上美馬市)、落合、今久保、平、山城谷、平野(以上三好市)、猿飼、赤松、久藪、家賀(以上つるぎ町)、東山、西庄、古川、小山(以上東みよし町)の17集落。好きな集落を一つ選び、近くの観光地と併せて小型タクシー(乗車4人まで)で2~4時間かけて回り、里山の風情や眺望を楽しんでもらう。
乗車料金は1台当たり2時間5千円、3時間7千円、4時間9千円。事業費125万円のうち4割を国の補助金で賄い、通常は1時間当たり5千円程度する貸し切りタクシーの運賃を抑えた。
急傾斜地にある集落では、雑穀や茶、山菜を栽培し、カヤやススキを束ねて天日干しする「カヤグロ」を作るなどの伝統が残る。比較的標高の低い野田ノ井集落を巡るコースでは寺社が集まる寺町地区を、古川・小山集落のコースは国天然記念物「加茂の大クス」を見学できる。
県などは利用者の行き先や声を参考に、人気の集落を巡るツアーの商品化を検討する。事務局の県西部県民局は「各集落ともに見どころ満載。山村ならではの良さを体感してほしい」としている。問い合わせは同局<電0883(76)0367>。