土砂崩れで大きな被害を受けた市道=7月11日、三好市山城町仏子

 西日本豪雨の影響で三好市で土砂崩れが多発し、市の管理する道路の少なくとも106カ所で路肩決壊や山腹崩壊が起きていたことが17日、市への取材で分かった。被害額は20億円を超える見通しで、交通網の復旧は長期化しそうだ。

 判明している被害の内訳は市道62カ所、林道41カ所、農道3カ所。このうち市道には山間部の集落と国道、県道をつなぐ幹線道路が28カ所含まれており、場所によっては大幅な回り道を余儀なくされる。

 旧町村別では、山城町の被害箇所が最も多い。市道34カ所、林道25カ所、農道1カ所が損壊し、被害全体の56・6%を占める。17日時点で東祖谷など他の旧町村では孤立状態が解消しているものの、山城町は4集落で28世帯51人の孤立状態が続いている。

 市は復旧を急いでいるが、山城町では県道と国道にも深刻な被害が出ており、全ての交通網が元通りになるには数年かかる見込み。地滑りが起きた箇所では、さらに新たな被害が確認される可能性もある。

 黒川征一市長は「国の災害復旧事業を活用し、できる限り早く復旧させたい」としている。