水揚げされたシラスの出荷作業をする漁協関係者=小松島市の和田島漁港

水揚げされたシラスの出荷作業をする漁協関係者=小松島市の和田島漁港

 徳島県沿岸で近年、シラスの漁獲量が回復傾向にある。徳島県によると、2018年に一度落ち込んでいたものの、19年から戻り始め、21年は12年以降の10年で最高となった。22年も21年を上回るペースで取れている。秋冬でも十分な量が取れていることが背景にあり、漁協関係者は「22年も漁獲量を確保できるのでは」と期待を寄せている。

 徳島県がまとめた標本漁協の漁獲量調査(週間漁海況情報公表分)では、2017年に2232トンあった漁獲量は、18年に1364トンと約6割まで落ち込んだ。19年は1784トン、20年には2109トンと徐々に回復し、21年は3255トンと大きく伸びた。22年は漁が遅かったため5月は103トンと前年同期を下回ったものの、6月は720トンと昨年の3倍以上になり、12年以降では最も多くなった。

 「ここ数年はいい状態が続いている」。県内一のシラス漁獲量を誇る和田島漁協(小松島市)の今治清孝組合長はこう話す。漁は例年4月下旬から12月まで行われる。今年は全国的に漁の開始時期が遅く、5月の大型連休ごろまでは量が少なかったが、中旬以降になって本格的に取れ始めた。「地球温暖化の影響なのか秋から冬にかけても量が減らない。10年ほど同じ傾向が続いている」と言う。

 徳島沖の紀伊水道で取れるシラスは例年、鹿児島沖や高知沖から黒潮に乗ってきた卵がふ化し、春先から夏にかけて漁のピークとなる。年末まで好漁が続いている要因として、国立研究開発法人水産研究・開発機構の廿日市庁舎(広島県)は「瀬戸内海で(親である)イワシの産卵が増えているため」と分析する。なぜ瀬戸内海で増えているかは不明という。

 和田島漁協では現在25船団が週4~5日漁に出ている。今治組合長は「後継者不足で船団は減り気味だが、このまま回復傾向が続いて少しでも港が活気づいてくれれば」と話している。