すしを買い求める常連客と話す秋田さん(右端)=勝浦町三渓

人気メニューの巻きずしと定番のいなりずし

 店主の高齢化で2021年12月から休業していた勝浦町三渓の持ち帰りすし店「田舎寿(ず)し なか山」を、徳島市で飲食店を経営していた秋田悠佑(ゆうすけ)さん(29)=同市北沖洲4=が引き継いだ。11日までプレオープンしており、受け継がれた伝統の味を求めて多くの常連客が足を運んでいる。

 田舎寿しは50年ほど前に店主・中山冨士子さんの兄が開業。以来2代にわたって、各家庭の夕食や節分などのイベントで地域の食を支えた。新たな店でも、ユズ酢の効いたシャリを使った人気メニューの巻きずしなどの味を忠実に再現している。他にエビやマグロの握り、サバの酢じめ、いなり寿司などがそろう。

 秋田さんは2019年に徳島市栄町に居酒屋をオープン。経営が軌道に乗ってきた頃、新型コロナウイルスが流行し、客足が遠のいた。常連客のために可能な限り居酒屋を続けたいと思っていたところ、父親の実家がある勝浦町の田舎寿しが休業しているのを21年末に知った。

 悩みながらも店を継ぎたいと考えた秋田さんと、後継を探していた中山さんを勝浦町役場の職員が橋渡しした。秋田さんは22年3月に居酒屋を閉め、それ以降、レシピや調理の指導を受けた。中山さんは「70代後半になり、店を閉めるかどうか悩んでいた。いいタイミングで後継ぎが見つかった」と喜ぶ。

 8月6日にプレオープンし、初日に巻きずしなどを買った同町三渓の主婦高田薫さん(43)は「幼い頃から知る味で、やはりおいしい。周辺も活気づきそう」と笑みを浮かべた。

 秋田さんは「先代から受け継いだすしを多くの人に食べてほしい」。本格オープンは20日からの予定で、仕入れ値の状況を見て販売価格を決める。定休日は未定。営業時間は午前9時~午後5時。問い合わせは田舎寿し、電話0885(42)3847。