自宅前で報道陣の取材に応じる藤田市長=9日午前7時20分ごろ、美馬市美馬町

 7月の参院選で、美馬市の藤田元治市長(60)=同市美馬町宗ノ分=が特定候補への投票を市職員に依頼するなどしたとして、公選法違反容疑で書類送検された9日、市民からは市長の責任を追及する声が相次いだ。

 市長は登庁前の午前7時20分ごろ、自宅の玄関前に詰め掛けた報道陣の取材に応じた。書類送検について、市長は「この人に1票を入れてくださいとは決して言っていないが、施策やまちの課題について話をしたのは事実。投票依頼と受け止められたのなら仕方ない、真摯(しんし)に受け止めたい」などと語った。自ら車を運転して同8時ごろに市役所に到着。予定通りに公務を終え、午後5時ごろ市役所を後にした。

 市長の書類送検を受け、ある市議は「国道193号整備や吉野川の無堤地区解消など、市の課題解決へ向けた藤田氏の思いが裏目に出てしまい残念だ」と話した。市議有志が8日、徳島地検に「寛大な処分」を求める嘆願書を提出したが、「自分たちにはもう見守ることしかできない」とつぶやいた。

 市民からは市長の行動に対して批判が相次いだ。30代女性は「今回の事件で、美馬市が悪目立ちし続けていることが恥ずかしい。どういう経緯で投票を依頼したのかなど、きちんと説明してほしい」と訴えた。70代男性は「選挙を馬鹿にしていると感じる」と不快感をあらわにし「程度はどうであれ、責任を取るべきだと思う」と憤った。

 無職女性(67)は「(他の人に)早く代わってほしい。市民に寄り添った市政運営だとは感じない」と厳しく批判した。