お盆を前に墓の清掃業務に当たる大津さん=阿南市福井町

 お盆を控え、徳島県内各地のシルバー人材センターに墓の清掃や周辺の草刈りの依頼が相次いでいる。徳島県シルバー人材センター連合会(徳島市)によると、新型コロナウイルス禍で帰省を見送る人や、高齢になり墓の手入れが難しくなっている人が要請。2022年度(8日時点)は徳島県内全体で532件に上り、今後も受注が増えると見込んでいる。

 太陽が照りつける5日昼過ぎ。阿南市シルバー人材センター会員の大津行春さん(72)は、依頼のあった墓の清掃に取り組んだ。同僚の北條文明さん(72)も協力。じょうろで水をかけ、コケをブラシで丁寧に落とすなどして約1時間で墓をきれいにした。草刈り機で周りの雑草も取り除いた。この日は午前中にも同様の注文が2件あった。

 依頼した女性(84)=同市横見町=は夫(90)と2人暮らし。子どもは県外におり、夫は1年前に運転免許証を返納した。墓が自宅から離れた場所にあり、草刈りは体力的にもきついため同センターを頼った。女性は「暑い中、きれいにしてもらい感謝している」と言い、大津さんは「喜んでいただけたら、やりがいになる」とほほ笑んだ。

 県シルバー人材センター連合会などによると、墓に関する受注は年々増えており、2019年度に1367件だったのが、21年度は1523件になった。主な要因は高齢化とみられ、墓の維持管理に悩む人がお盆前などに依頼しているという。

 阿南市では、墓清掃や周辺の草刈りの受注が7月に入ってから増えた。22年度は同月末時点で19件と前年同期を4件上回る。7件が県外や市外からの依頼で、秋の彼岸や年末にかけてさらに増加する見通しだ。

 市シルバー人材センターの河井敏之理事長(70)は「清掃する前と後や周辺の写真を撮って依頼者に送信することもあり、好評を得ている。今後は需要の高まりを見越し、専用のパンフレットを作るなどして力を入れていきたい」と意気込んでいる。