新型コロナウイルスの流行「第7波」を迎え、発熱患者の検査や診療を担う発熱外来の受診者が急増している。十分に対応できず、受診を断るケースも出ており、医療現場は危機感を募らせている。医療機関を紹介する徳島県の相談窓口にも電話が相次いでおり、お盆は電話の回線数を1・5倍に増やして対応を強化する。

 吉野川市の医療機関では今週の受診者が1日当たり20人前後となり、7月の3、4倍に増えた。発熱外来の診察時間を従来より延長して対応している分、一般の診療がはかどらない。午前中は予約対応で電話回線がパンクし、救急の受け入れ要請があってもつながらないという。検査キットが底を突き、その後の受診を断った日もある。

 検査や診療に加え、患者が陽性だった場合の届け出も負担になっている。発症時期や基礎疾患の有無など詳しい状況を聞き、政府の情報システムに入力する作業に時間がかかる。男性医師は「聞き取りは1人10分だとしても、陽性者が多ければ相当な時間になる。入力作業や防護服の準備などにも手間がかかり、スタッフは昼休みもない」と厳しい現状を訴えた。

 徳島市城南町4のくどう内科クリニックでは、7月下旬まで1桁だった1日当たりの受診者が今週は15人ほどになった。電話が朝から鳴り続け、診察を断らざるを得ないケースも出ている。工藤美千代院長は「通常の診療が進まず、患者さんにだいぶ待ってもらっている。大変な状況だ」と話した。

 徳島県によると、発熱外来を設けている徳島県内の診療・検査協力医療機関は378カ所あり、人口10万人当たりでは全国3位。それでも感染者の急増で現場は余裕をなくしている。

 全国では、検査を省いて医師が症状で判断する「みなし陽性」を導入するなどして急場をしのぐ自治体もある。県感染症対策課は「現時点では考えていないが、今後の状況によっては県医師会など関係機関と相談しないといけない」としている。

 かかりつけ医がない人に医療機関を紹介する県の受診・相談センターでは、8月6日に約800件の相談があった。医療機関の休診が増えるお盆期間に電話が増える事態を想定し、県は17日まで、従来の10回線から15回線に増やす。