徳島市が保有していた散水車。未舗装道路が多く、土ぼこり防止のために出動していた=1957(昭和32)年、本社所蔵写真

徳島市が保有していた散水車。未舗装道路が多く、土ぼこり防止のために出動していた=1957(昭和32)年、本社所蔵写真

 旧徳島市役所を背景に停車している大型トラック。タンクには「徳島市散水車」の文字が見える。今ではほとんど見られなくなったが、1960年代以前に生まれた人なら、散水車が活躍していた場面の記憶があるのではないだろうか。

 この写真が撮影された当時は、市中心部でも土むき出しの未舗装道路が多かった。舗装された道でも、郡部の未舗装道路から来た車のタイヤに付いた土砂が舞い上がった。その防止のため、路面に水をまいていた。

 特に夏場は強い日差しで土ぼこりが起きやすかった。トラックやバスが通るたびにもうもうと土煙が上がり、周りの景色が消えた。道路に沿う木々の葉や草は、土ぼこりをかぶって白くなった。

 散水車が来ると車体後部から水がシャワーのようにまかれ、いったん土ぼこりは収まる。しかし1時間もしないうちに元に戻ってしまうため、しょっちゅう車の姿を見掛けたものだ。

 路面舗装が進んだ70年代以降は道路工事現場などで見るくらいで、一般道からは姿を消していった。