ポルトガルの文人モラエス(1854~1929年)の旧居跡(徳島市伊賀町)周辺が「モラエス通り」と命名されて40年になったのを記念し、モラエスをテーマにした講演会が1日、近くの西富田公民館であった。6日までは俳画展も開かれている。
ポルトガルのエステヴェス駐日大使や市民約100人を前に、徳島大大学院の佐藤征弥准教授が「モラエスとともに暮らす」と題して講演。妻おヨネの墓を守るため、晩年の16年を伊賀町で暮らしたモラエスの生涯や作品を紹介し「自分の孤独と死に常に向き合ってきた文学作品にも触れながら、モラエスに興味を持ってもらえれば」と呼び掛けた。
俳画展では、モラエス忌(7月1日)に詠まれた句を基に、大西啓子俳画教室(小松島市)の会員9人が27点を展示。<いかに生きいかに老ゆるかモラエス忌>の句に、座って瞑想(めいそう)する小坊主の絵を組み合わせた俳画など、ユーモラスな作品が並べられている。
講演会と俳画展は、徳島を愛したモラエスの記憶を後世にとどめようと、徳島日本ポルトガル協会などが企画した。