東京国立博物館が所蔵する「洛中洛外図屏風(らくちゅうらくがいずびょうぶ)(東博模本)」は、室町時代に阿波の守護だった細川氏周辺の人たちが発注して描かれた「阿波本」ともいえることが、小島道裕国立歴史民俗博物館元教授の研究で明らかになった。東博模本は後世に江戸で原本を写して描かれたが、原本が失われているため貴重だ。細川氏やその家来三好氏ゆかりの屋敷が描かれ、原本は元々、藍住町勝瑞の細川氏守護館か三好氏の館にあった可能性が高い。

 小島さんによると、東博模本の原本の制作年代は、描かれた事物から1540年代前半ごろ。室町時代の絵師で狩野派の画風を大成した狩野元信周辺の絵師が描いたとみられる。東博模本は、江戸狩野派の中橋家の絵師の名前が屏風の欄外に記されているため、誰かが江戸に持ってきた原本を基に江戸時代前期、模本を描いたと分かる…