47都道府県目の献血を終えた長村さん=2021年10月9日、盛岡市のもりおか献血ルームメルシー(長村さん提供)

 石井町出身で、兵庫県尼崎市の小学校教員長村康生さん(26)が、47都道府県での献血を達成した。白血病を患っていた伯母を気遣う思いから始め、約2年半で巡り終えた。長村さんは「少しでも血液が必要な人の役に立てればうれしい」と話している。

 長村さんが高校3年生だった2014年、県内在住の父方の伯母が白血病だと知った。伯母とは年に数回会う程度だったが、会うたびにかわいがってくれたのでとても慕っており、家族と一緒に「直接治療はできなくても、何か助けになることはできないか」と献血ルームを訪れた。大学進学で尼崎市に移ってからも、近くの献血ルームで1~2カ月に1回の献血を続けた。

 食べ歩きや旅行が好きだったが、全国での献血を決意したのは伯母の影響が大きい。長い入院生活を経て寛解したという伯母と18年に対面したとき、痩せ細った姿に大きなショックを受けた。「病気の恐ろしさを強く感じた。続けてきた『献血』という方法で、伯母を喜ばせる記録をつくりたいと思った」と振り返る。

 社会人になった19年春から公共交通機関を利用し、まずは関西圏の献血ルームを巡った。新型コロナウイルス感染拡大に伴う移動制限で思うように出掛けられずに苦労した時期もあったが、週末に遠方まで足を伸ばした。現地の飲食店などで知り合った人からの応援が大きな支えとなり、昨年10月9日、盛岡市の献血ルームで47都道府県目となる岩手県での献血を終えた。

 今年1月に報告を受けた伯母は「献血は白血病だけでなく、さまざまな病気や事故で苦しむ人になくてはならないもの。無理なく献血を続けていってくれるとありがたい」と喜んでいる。

 日本赤十字社によると、献血者の献血場所の把握はしておらず、全都道府県での献血を達成した人数などは不明。長村さんは「達成できたことにほっとしていて、伯母に喜んでもらえたのが何よりうれしい。献血は今も月1回ほど行っており、これからも社会に貢献したい」と語った。