徳島県内の養鶏関係10団体などが、鶏ふんを燃料とするバイオマス発電施設を徳島市に建設する。2日に同市のザ・グランドパレスで施設運営会社の設立総会を開き、2016年度に着工、完成を目指すことを決めた。鶏ふんを有効利用し、コスト削減を図るのが目的。鶏ふんバイオマス施設の建設は中四国で初めて。

 施設は不動本町3の民有地約1300平方メートルに建設。鶏ふんを燃焼した熱で水蒸気を作ってタービンを回し、1時間当たり480キロワットを発電する。売電収入のほか、鶏ふんの焼却灰を有機肥料にして販売する。建設費は約13億円で、自己資金に加え、国などの補助金を活用。17年度の稼働を目指している。

 施設運営会社・ライブストックエナジーは養鶏関係の企業、協同組合、協業組合の10団体と岸化学グループ(徳島市)の岸小三郎代表取締役が計5千万円を出資し設立。社長には貞光食糧工業(つるぎ町)の辻貴博代表取締役、会長には岸代表取締役が就く。

 鶏ふんは出資団体から購入し、年間約3万トンの活用を見込む。従来から肥料として売られているが、販売時季が春と秋に限られるため、余った分は自己負担で処理していた。ライブストックエナジーは「発電燃料として販売できれば負担軽減となり、環太平洋連携協定(TPP)に備えた競争力強化にもつながる」と意義を強調している。

 出資団体は14年4月に、鶏ふんバイオマス施設の活用協議会を発足させ、準備を進めていた。設立総会には約40人が出席。今後、詳細な計画策定や補助事業活用の手続きを進めることなどを決めた。