国が求めている消防団員の年額報酬と出動報酬の引き上げに関し、徳島県内自治体でも改善する動きが広がっている。国が標準額を示した2021年4月以降、10市町が引き上げた。22年度中に対応する自治体も複数あり、団員の処遇改善が進みそうだ。

 消防団員の報酬は年額報酬と、出動に応じて支払う出動報酬がある。近年の団員数の減少などを踏まえ、総務省消防庁は21年4月、年額(団員階級)は3万6500円、災害時の出動は1日(8時間相当)当たり8千円を標準とする通知を自治体に出した。

 徳島新聞が県内24市町村の21年4月以降の対応を取材したところ、年額報酬などは《別表》の通り。災害時などの出動報酬は分団や班ごとに支給している自治体もあった。

 国の要請に「対応した」と答えた10市町でも、内容には差があった。年額と出動の両報酬が標準額を満たしているのは徳島、勝浦、上勝、那賀、東みよしの5市町。いずれも6月までに、標準額未満だった報酬を引き上げる条例改正や規約改定、増額分の予算計上をした。

 鳴門市は6月議会で年額報酬を標準額まで引き上げたが、出動報酬は標準を下回っている。美馬市(美馬町除く)、美馬西部(美馬市美馬町、つるぎ町)、三好市、神山町は、両報酬かいずれか一方を改善したものの、標準額には届いていない。神山町は「9月議会で標準額までの引き上げを予定している」とした。

 未対応の自治体は14市町村。このうち美波、牟岐、海陽の3町は報酬を引き上げる条例改正案を、9月議会に提出する予定だ。阿波、石井、板野、上板の4市町は22年度中の条例改正などを目指す。板野東部(松茂、北島、藍住の3町)は23年4月から標準額とする方向で協議しているという。

 小松島、阿南、吉野川の3市と佐那河内村は、「消防団と協議した上で、他の自治体の動向を見て判断する」などとし、具体的な見通しは示していない。団員数が多い阿南市は「報酬以外にも、車両や資機材、詰め所の経費など消防団全体の財政負担が非常に厳しい」と事情を説明した。

 今年4月1日時点の県内の消防団員は1万314人で、2012年4月1日時点より751人減った。18市町で減少し、那賀が145人減と最多だった。次いで阿南の123人減、吉野川89人減、鳴門80人減と続いた。

徳島県内消防団員の年額報酬と出動報酬(単位は円)

自治体等 年額報酬等(団員階級) 出動報酬等(災害時)
徳島市 3万6500 1日最大8000
鳴門市 3万6500 1回2100
小松島市 1万5000 1回2500
阿南市 1万 班ごとに1回1万
吉野川市 1万3000 1日2000(火災、行方不明者捜索は2500)
阿波市 1万7500 運営補助金として団ごとに支給
美馬市(美馬町除く) 1万8000 1回4000
美馬西部消防組合(美馬市美馬町、つるぎ町) 1万8000 1回4000
三好市 1万2000 1回3500
勝浦町 3万6500 1回8000
上勝町 3万6500 1日最大8000
佐那河内村 1万 1回1000
石井町 2万 部ごとに1回1万
神山町 2万3000 1回2000
那賀町 3万6500 1回最大8000
美波町 2万3000 災害時の定めなし
牟岐町 2万3000 災害時の定めなし
海陽町 2万3000 災害時の定めなし
板野東部消防組合(松茂、北島、藍住) 3万2000 1回3500
板野町 2万 1回3500
上板町 1万2000 分団ごとに1回2万
東みよし町 3万6600 1日最大8000