最新の減災技術や、企業と地域が連携した防災対策などを学ぶシンポジウム「南海トラフ巨大地震を迎え撃つ」(徳島文理大、県主催)が2日、徳島市の徳島文理大であり、行政関係者や学生ら約500人が耳を傾けた。
パネル討論では、元京都大総長で京都造形芸術大の尾池和夫学長(地震学)、名古屋大減災連携研究センターの金田義行教授、大塚製薬工場(鳴門市)の小笠原信一社長、飯泉嘉門知事がそれぞれの取り組みを紹介した。
金田教授は、南海トラフ周辺の海底に地震や津波を瞬時に観測できる装置が敷設されてきていることを紹介。「検知した情報を住民にどう伝え、被害をどう抑えるかが今後の課題」と話した。
小笠原社長は松茂工場の全周1・62キロに高さ2メートルの防潮堤を造ったことなどに触れ「地域の避難場所にできるよう住民や行政と連携している」と述べた。
討論に先立ち、次の南海トラフ地震が2038年ごろに起きると主張している尾池学長が講演し、「南海トラフは活動期に入っている。被害想定が大きくても諦めることなく正しく恐れてほしい」と語った。