ワークサポートやまなみの利用者と一緒に収穫したヨモギの品質を確認する清水さん(左から2人目)=三好市三野町

ワークサポートやまなみの利用者と一緒に収穫したヨモギの品質を確認する清水さん(左から2人目)=三好市三野町

 脱サラして大阪府から徳島県三好市三野町に移住した清水雅文さん(47)が、徳島県西部でヨモギの特産品化を目指している。耕作放棄地を有効活用しようと、太陽光パネルの下で農業に取り組む営農型太陽光発電で生産している。国内の生産量が少ない点に着目。付加価値を高めるために粉末やペーストなどに加工して販売しており、「地域の雇用や経済に貢献したい」と奮闘している。

 三好、東みよし、美馬の3市町で太陽光パネルを設置した土地計約5ヘクタールを借り、昨年4月からヨモギを栽培している。パネルで日光が遮られるため、茎が柔らかく育って加工しやすくなる。昨年は約1トンを生産。今年は農地の整備が進み、5トンを見込んでいる。

 国内の生産量が少ないため、ヨモギ入りの餅や団子を製造する食品業者などは、全体の8割以上を輸入に頼っているという。

 清水さんが育てたヨモギの粉末やペーストは、「阿波みよし名産 祖谷の薬草エメラルドよもぎ」で商標登録。業務用で出荷するほか、個人向けにインターネット販売もする。昨秋には3市町でふるさと納税の返礼品に登録された。

 7月には三好市池田町の地域交流拠点施設・箸蔵とことんのパン販売コーナーで、ペーストを生地に練り込んだ食パンの試食会を開いた。好評だったため、8月7日から2週間おきに販売する。

 農福連携の一環で、精神障害者らを支援する社会福祉法人三好やまなみ会ワークサポートやまなみ(東みよし町)の利用者が除草や収穫に従事。地元のアルバイトも雇用している。

 清水さんは大阪府羽曳野市出身。大学卒業後、宝飾品などを扱う大阪市の商社に入社したが、将来は独立したいと考えていた。

 以前から農業に関心があり、母の出身地の三野町で営農しようと決めた。3年ほどの準備期間を経て昨年3月に退職し、4月に移り住んだ。「再生可能エネルギーの利用が進む中、太陽光パネルの下で営農するのは時代に合っている。3年以内に軌道に乗せ、ブランドとして発信していく」と意気込んでいる。