広島市のジャーナリスト研修に参加した。市の取り組みや住民の平和活動を取材し、広島市民にとって「平和」がとても身近なテーマであると改めて分かった。それは、積極的に平和活動に携わる若者が多いことから見て取れた。全国的に後継者不足に悩む遺族団体などが多い中、珍しいと感じた。

 なぜ若いエネルギーであふれているのか。言うまでもなく、広島市が平和施策を「一丁目一番地」と位置付け、手厚い平和教育やボランティアの養成をしているためだ。ただ最も大きな要因は、平和活動に携わる住民の熱量の高さやサポート力の強さだと思った。

 国際平和活動に取り組むNPO法人「ANT―Hiroshima」には多国籍のインターン(研修)生が12人いる。研修生は被爆者の体験を聞き取って冊子にしたり、小中高生に平和に関する授業をしたりと思い思いの活動をしている。広島大大学院2年の頼金育美さん(24)はANTでの活動理由について「被爆者や学生、記者などいろんな人とのつながりができる。やりたいことを後押ししてくれる大人がいる」。コネチカット大大学院2年の島本アンソニさん(31)は「代表の人柄と熱量に魅せられた」と語った。学びを得ようと学生が自然と訪ねてくるのだ。

 一方、徳島県内でも若者の平和活動が芽を出し始めている。牟岐町のNPO法人「ひとつむぎ」の大学生による中学生への平和学習プログラムだ。戦争を教科書上の過去ではなく自分事として捉えてもらおうと、県遺族会などと連携しながら戦争体験を掘り起こす作業に奮闘している。戦後77年。若者の「平和」に対する関心が薄れる中で芽生えた貴重な動きだ。多くの人を巻き込みながら、その枝を広げてほしい。