鳴門市沖の播磨灘に西日本豪雨で流れ込んだ大量の流木などが滞留し、漁業に支障を来している。漁船や網が損傷する恐れがあり、漁師が回収作業などに追われている。
県北部底曳網協会(鳴門市北灘町)によると、13日ごろから樹木やプラスチック製品などの漂流物が沖合や漁港で目立ち始めた。岡山や広島などから流れ込んだとみられ、船のスクリューに当たったり漁網に引っ掛かったりするなど漁の妨げとなっている。
底引き網漁は、袋状の網を船で引いて海底のハモやエビなどを取る。ごみが海底に沈むと影響が大きくなる恐れがあるため、15日に急きょ一斉回収を実施。会員約50人が漁船約15隻に乗り、2~3キロ沖の漁場で約20トンを引き揚げた。市が近く焼却処分する。
50年以上漁をしている濱田一幸会長理事は「台風の影響で大量のごみが滞留するのはよくあるが、今回は特にひどい。回収できたのはほんの一部で、今後被害が出ないか心配だ」と話している。